昨夜の苦労

学年末テストも終わり、入試も終了した。あとは発表を待つのみとなった。


三月は、四月からの新学期に備え復習の期間。
新しい内容に入る前に、この一年間に学習した重点項目を徹底して確認することが大切と、はやる気持ちを抑えて、授業をすることになる。
生徒たちには、この時期を利用して、理解不十分だった箇所を徹底的に解明してもらいたい。


当院は先へ進むことを決してよしとしていない。「ここは絶対大事」という箇所は何時間かけても練習する。
たとえ、学校が先行しようとそれは関係ない。


例えば、英語でいえば不定詞。特に名詞的用法の主語、目的語、補語の区別と使い分け。解説→練習→テスト→練習→テスト→解説。不定詞は後の動名詞への重要な橋渡しとなるからである。


また、数学でいえば関数。特に一次関数。式の決定条件を4パターンにわけ、徹底してパターン別に式を作らせる。座標から、文章から、グラフの読み取りからと、多方面の問題を解かせる。これらをしておかないと交点や面積、面積の二等分線その他各種の応用問題がスムーズに解けないからである。
最初は戸惑っていても、解いていくうちに驚くほどリズムよく生徒たちは問題をこなしていく。
(「やったあ」とこちらは心の中でつぶやく)


しかし、その場合の資料や練習問題の量は大変なものになる。40年もやっているのだから、資料や問題のストックは山のようにある。去年使ったからといって、今年もそのまま使えるとは限らない。生徒たちの顔を思い浮かべながら、改訂作業をする。(ああ、今日も寝る時間が減る)
そして、そのオリジナル資料をもとに、根本となる考え方、解き方をわかりやすく解説する。
「わかった!」「なるほど!」という声を聞き、問題に一生懸命取り組んでいる姿を見ると、ホッとする。昨夜の苦労も忘れてしまう。